「ご存知でしょうが、行政によって介護保険料やサービスの差があるので、」
「えっ、ちょっと待って下さい。同じ国なのに場所によって差があるんですか?」
「あら、お話ししてませんでしたっけ?」
聞いていない。
いつも色々と細かなことまで時間をかけて説明してくれるケアマネージャーさんだった。

東京、千葉、埼玉でも施設の利用料が違う という話の時、
施設は土地代や人件費の水準がそもそも違うから仕方がないんだろう、と返したところ、
そもそもの 「介護保険料」や「サービス内容」に差があるという。

介護に地域格差があるなんて! 
介護認定率にも差があると言われています」

厚労省が2015年4月にまとめた市町村動向によると、第6期(2015~2017年度)の保険料基準額が最も低いのは鹿児島県三島村の2800円、その次に低いのは北海道音威子府村の3000円。一方、最も高かったのは奈良県天川村の8686円、次に高いのは福島県飯館村の8003円となっています。
 https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=821
なんと3倍の格差!
要するに地区内に「利用者が多ければ高く、少なければ低い」。

確かに素直な経済原則通りな訳だが、
行政単位で比較すれば「何人だから多い、少ない」ということになるが、
認知症、その他の要介護者は一人一人なのだ。
その人がたまたま住んでいる地区が「ここは多いから」と高額な負担を強いられるというのは全く解せない話ではないが。

「仰ることはわかるんですが、いかんせん予算枠がありますものですから」
きっとそういう答えが返ってくるんだろう。

2025年には700万人以上の認知症患者に増加とする厚生労働省の予測を待つまでもなく、既に要介護者とその家族にはこんな理不尽な現実が・・・

しかも治る見込みのある病気なら家族も頑張れるさ。
認知症はいまだに治せる薬、治療法が無い、っていうじゃないか!

一旦、認知症患者を家族に持ってしまったらノンストップで坂道を転げて落ちていくしかない。
それが急加速じゃなくても、確実に下っていくことをやめないのだ